基礎知識

これで納得!実践で使える「LOTとPIPSの話」

トレーダーがコントロールできるのは〇〇だけ

ロットとピップスにまつわる「もやもや」ありませんか?

はじめてFXをやってみようという時、ロット・ピップス・レバレッジ・スワップ…と聞きなれない用語に一瞬ひるみますよね。

「ロット=取引量」程度のざっくり理解、損益を円やドルで表現していても、FXのトレードはできます。

しかし、一歩踏み込んで、

  • 安全なトレードのロット数を計算したい
  • 取引がうまくいっているかを比較したい

と考えるようになると、

  • 1ロット=1万通貨
  • 1pips=0.01円

というようなFX会社のホームページにある説明を丸覚えしているだけでは応用が効かないと思いました。

基本的なことから改めて確認してみたら、頭の中が整理できてFXライフのちょっとした「もやもや」が解消できるかもしれません。

「そんなこと知っているよ!」という方も、復習のつもりでご覧ください。トレードにいて人がコントロールできるものは何か、腑に落ちるかもしれません。

Lotの基本

  • 読み方は「ロット」
  • FXでは「取引単位」
  • 元々は「同じ条件で製造される製品の製造数量、出荷数量の最小単位」という意味
  • 物品を販売する際の商品を積み上げた一山(ひとやま)に由来している
  • lotの語源になる言葉には「くじで割り当てる」の意味。

Pipsの基本

  • 読み方は「ピップス」
  • pipは「percentage in point」の頭文字をとったもの
  • 為替変動を表す最小単位
  • スプレッドの単位はピップスです。
  • 取引数の影響を除外して値幅を表現できるので、トレード結果の表現にも使われています。

1pipsの桁が通貨ペアで違うのはなぜ?

ここでまず1つ目のもやもや。1pipsの桁が、対円と対円以外の通貨ペアで違うこと。

pipは「percentage in point」の頭文字という話をしました。Percentageは百分率。
明確な根拠はみつかりませんでしたが、アメリカ合衆国、ユーロ圏など多くの国で使われている一番小さい通貨はセントなので、その100分の1である0.0001ドルを最小取引単位としたのではないかと思います。

セントという言葉の語源には「百」という意味があり、実際に1セント=0.01ドル

ゆん

pip=「セントのパーセンテージ」=「100分の1」の「100分の1」
ということになるね。

ドルと円を同等の単位と考えて、日本円も「100分の1」の「100分の1」を最小単位にすると、最小取引単位が「流通している通貨(円)のパーセンテージ」ではなくなってしまいます。

ドルの補助通貨「セント」は現役ですが、日本円の「銭」は1953年(昭和28年)に発行が停止されているので、対円通貨ペアでは1円の100分の1(下2桁)が最小単位となったのでは?と考えて、納得しました(笑)

本当の理由をご存じの方などいらっしゃいましたら、コメントで教えてください。

FXにおいて現在は、さらに1桁小さい値が最小単位として表示されていたり、最小取引単位になっていたりするようです。

FX会社によって違うロットとピップス

pipsは過去と現在で最小有効桁がかわってきているので、1pipsが表すものは通貨によって異なるだけでなく、FX会社によっても異なることがあるということになります。

また取引単位こそ、FX会社が自社のサービスをつくる時に決めるものと考えられますので、lotも、FX会社によって異なって当たり前ということになりますね。

獲得pips数だけをみて、「あの人のほうがすごい」とか、「たくさん儲けている」とか、取引環境を知らずに比較する意味はなさそうです。

pipsは「異なる通貨ペアでも共通の単位であらわすため」というような説明が多いので、
会社によって違ってはダメなのではないかとも思いますが。。。

商慣習として、1pips=0.01円の会社と、現在の最小単位にあわせて1pips=0.001円の会社があるためだったんですね。

比較には意味がない?

ここまでの話を総合して考えると、異なる会社での取引を比較することは、前提されていないようです。同じ環境での比較、つまり自分のトレードを客観的にみるための単位と思った方がよさそうですね。

同じ通貨ペア・同じ取引環境でないと、厳密には比較できないことになりますが、円:主な外貨は桁レベルでは「1:100」なのでpipsで値幅を比較することはそれなりに意味があることかなと思いました。

ゆん

そもそも他人のトレードと比較するのがナンセンスなのかも

スプレッドとスワップ、明確に説明できますか?

FXを始めたばかりの頃の失敗談です。

スプレッドは「買値と売値の差」というだけの理解をしていました。
取引ツールでは、スプレッドが売値と買値の間に表示されているし、単純に、売値と買値を引き算した値がスプレッドだと思っていたんです。

画面の例だと、差は138.530-138.528=0.002になります。ところが表示は0.2。
「なんで、100倍も手数料とられとるん?」となったことがありました(笑)

スプレッドはpipsが単位で、売値・買値とは単位がちがったんですよね。

ほかにも、ニュースなどで「為替レートは1ドル136円10銭から20銭の間で取引されています」という時の2つの値段も、「売値」と「買値」のことではなく、1日の「高値」「安値」だと思っていたとか(;’∀’)

こんな私なので、FX用語で混乱したのがスワップ。

今でこそ、スワップは「2つの通貨の”金利”の差」だと説明できますが、
同じ「ス」から始まる用語というだけで怪しくなり←おーい(;^ω^)
どちらも「差」なのでなので、整理ができていない時期がありました。

計算してみよう!

取引手数料

獲得利益

「爆益!180pips」なら

3万6千円だと「爆益!」というイメージには程通り感じがしますが

  • 100ロット取引していれば、180万円の利益
  • 10万通貨が1ロットの会社での取引であれば、2ロットでも21万6千円の利益

ということになります。

損切り金額

「損切り幅 20pips」なら

4千円だと問題がない人でも、10倍の4万円は許容できないかもしれません。

値幅がを10倍とらなくても、取引量が10倍になれば4万円の損切り額となるので注意が必要です。

簡単な計算方法

自分が取引しているFX会社の[1pipsの値段]× [1lotの通貨数]の部分をあらかじめ覚えておくとよさそうです。

A社の場合

  • クロス円なら[pips数]×[lot数]×100で円
  • ドルストレートなら、[pips数]×[lot数]×10,000でドル

と簡単に換算できますね。

リスク許容度を考える

損切りについて、もう少し考えてみたいと思います。

「損切り幅はpips数で決めない」とは

FX会社のホームページなどに「損切り幅はpips数で決めない」という注意書きをよくみます。

「損切り金額」を計算してみよう!のところでお話したとおり
「値幅できめると、取引数によって金額が大きくかわる」ので注意!
ということですが、では何を基準に損切りする値段を決めたらよいのでしょうか?

金額を計算する式を元に何が調整できる数値なのかをみてみます。

トレーダーの意思で調整できるのは「ロット数」だけということがわかります。

よく「勝てないうちは、ロットを下げよう」というアドバイスをみかけますが
損失と儲けは表裏一体なので、この仕組みをしっかり理解しておかないと、効率よく儲けるために安易にロットを増やすことになってしまうのでしっかり頭に叩き込んでおきましょう。

ロット数はエントリー後に調整できませんから
エントリーしてから、損切りポイントを考えていたのでは、退場へまっしぐらです。

損切りしないトレードスタイルだとしても、許容できない損失額は存在すると思います。損切り貧乏にならずにすみ、許容できないリスクをとらないためには

エントリー前に

  • 逆行する値幅を想定する
  • 破綻しない損切り額におさまるようにロット数をきめる

もちろん、エントリーの精度を上げて、損切りの値幅を少なくしていけるようにすることは大切です。
ただ、その域に到達するまでに退場しては元も子もないので、初心者がリアルトレードで研鑽する場合、リスクをロットで調整するのは必須だと思います。

リスク許容度の考え方

1トレードにおいてどれだけの損失を許容するのがよいかは、一般的には資金の2%といわれているようです。

■資金10万円・リスク許容度2%の例

10連敗はなくとも、3連敗のあとの勝ちでは取り戻せず、その後3連敗とかは十分ありそうです。勝ったトレードで資金が復活しなければ、多少延命されても連敗と同じような結果になります。

資金が10万円の人が、1回目のトレードで「2,000円の損は大丈夫」と思っていても、同じトレードを繰り返せばあっという間に資金がなくなり退場です。

■資金10万円・定額リスク2,000円の例

損失金額を一定するやり方もあると思いますが、資金が減った時に大きなリスクをとることになるので、定額にする場合は、余裕をもった資金管理にする必要がありそうです。

基本は資金に対する割合とし、面倒でも資金が変動するたびに安全にエントリーできるロット数を計算するほうがよいと思います。

■資金10万円・リスク許容度2%と5%の比較

割合で考える場合でも、2%と5%では、資金の減り方がまったくちがいます。
グラフにしてみると、ほんの数パーセントの違いが資金を減らすスピードに大きく影響していることがわかります。

リスクと適正ロット数をExcelで計算するツール

許容できるリスクがきまったら、具体的にロット数を計算してみます。

基準通貨がかわっても考え方は同じですが、円で生活している場合、ドルストレートでは、リスク許容金額を円で計算し、米ドルへ換算してから計算する必要があります。
pipsの基本でお話したとおり対円と対円以外の通貨ペアでは、
1pipsの値段は100分の1の違いなので、レートが1ドル100円であれば算出されるロット数は同じになります。

レートが100円より上がるほど、ドルストレートの取引では、クロス円よりロット数を下げないとリスクを大きくとることになるので注意したいですね。

このような計算ができるサイトや、アプリもあるようですが
リスクとロット数の試算ができるExcelを作ってみたのでよかったら活用してください。

ダウンロードはこちらから

自分用のツールを表計算ソフトなどで作ってみると、より納得できると思います。