FXで大損しないために
FXをはじめて1年で3,800万円を溶かしてしましました。
なぜこんなに大きな損失になったのか、具体的に知っていただくことで、悲劇に陥る人が一人でも減ることを祈って書いています。
これだけの大損トレードをした私は、カードローンをしまくって借金を抱えるということもなく、地道にコツコツ貯金をしてきたタイプです。
特にこれから投資やFXをはじめようとしている方や、初心者トレーダーさんに読んでいただきたいと思います。
YouTubeでも発信していますので、よかったらご覧くださいね。
FXデビューから大損までの経緯

FXデビューから2,000万円を溶かすまでの損益の推移です。最初の6カ月は利益をだせていましたが残り6カ月でマイナスです。

時間をかけて、残りのポジションを解消していくつもりでいましたが、6月になっての暴騰劇。やむなくすべての建玉を決済して損切となりました。
2021年3月 FXデビュー
ネオモバでFXデビューをしました。慎重な私は最小ロットで取引ができる国内のFX業者を選択しました。
まだFX取引をされていない方のために簡単に説明すると、一般的なFXの最低取引単位は1万通貨です。それに対してネオモバは1通貨から取引できる業者です。
つまり、同じ単位の取引であれば、儲けもリスクも一万分の一ということなります。
デビュー2日でネオモバ卒業

たった2日ほどの取引で、「FXはさほどキケンではない」と早々に認定した私。
「キケンもないけど、儲からない」
「同じ労力かけるなら、ロットを増やせばもっと稼げるよね」
気が付けば、1万通貨が最低取引単位のFX業者で取引を開始していました。
2021年4月 はじめての逆行!ロットが増える

最初はドキドキの1ロット、やがてちょっと冒険の5ロットと取引数量が増えていた2021年4月。ドル円が上昇し続けて、調整しない局面がありました。売りで入っていたので初の逆行です。
「FXって上下変動するんじゃなかったの??」
と画面に向かい悪態をついてみるも、むなしくドル円は上昇。
初の逆行で眠れない日を過ごしましたが、この時はなんとか損切りなしで無事取引をおえることができました。ナンピンしてロットも増えていたため、大きな利益がでました。
この時、「上下変動で調整できないトレンドがでることもある」と知りましたが、今回が特別だろうくらいの感覚でいました。
2021年9月 再び逆行!上昇トレンド
5ロット、10ロットの取引も当たり前になりつつあった2021年9月。凝りもせず、またもや売りでつかまります。
「春は大丈夫だったから、耐えてればどうにかなる」
とナンピンを続けるも、一向に調整する気配がありませんでした。
2021年12月 年間損益200万円のプラス
気がづけば年末です。戻ってこないドル円。
9月につかまって以降は利益をだしても、含み損ポジションの相殺につかっていたので
トレードしても、トレードしても利益は増えない3か月でした。
トレードしても、利益が増えない3か月
かなり消耗して、トレードが適当になってきていました。
3月からの累計損益は約200万円、対して含み損も約200万円。
全額切るべきか、一部だけ切るべきか悶々と悩み続けた12月でした。
2022年1月 100万円損切
結局利益を全額失う決断ができず、1月1日早朝(ニューヨーククローズ直前)に半分の100万円のみ2021年分の損失にすることにしました。
「100万円分の税金(約20万)をはらうからには、損失を早く埋めなければ!」
とこのことが自分へのプレッシャーになり、ロットを大きくするようになっていきました。
2022年3月 100ロットが逆行!
トレンドがでて逆行する相場はもちろんつらいのですが、変動幅のせまいレンジ相場も意外と苦しいものです。
レンジ相場は、何度エントリーしても儲からない。逆行する幅もせまいので、ついついロット数を極端に多くしがちです。
「一瞬」なら大丈夫 と50ロット
1回のエントリーで大きく稼げたりすると次は100ロット と。。。
「悲劇」が近づいていることにまったく気が付いていない私でした。
3/16ちょっとだけとエントリーした118円代・100ロットのポジションが逆行。勢いが強く
あっという間に損切りしがたい含み損になりました。
・3/15 0.75円 上昇
・3/16 0.95円 上昇
・3/22 1.60円 急上昇 ※高値121円超え
100ロットが3円逆行すると、300万円の含み損になります。年末にトントンになることがわかっている200万円の含み損でさえきれなかった私には、とても損切できる金額ではありませんでした。
ナンピンしてなるべく早く手じまうには、100ロットに釣り合うロット数のポジションを持つ必要があります。
かくして、歴史的に急上昇するドル円に大量のロットをもったまま保証金を追加して、売り向かうことになってしまったのです。
・3/28 125円の黒田ラインへ勢いよく上昇
このままどんどん上昇するとしか思えなかった私は、124円代で160ロット(約1,000万円)の損切を選択しました。125円は一瞬だったので、ほぼピークでの損切です。
これだけ大量に損切りすると、変な話「快感」でした。すっきりした(笑)
こうなると人間の心理は不思議なもので、どんどん切って終わりにしてしまいたくなります。なんとか冷静になったところで、調整をまって500万円分を追加で損切りし、再上昇へ備えました。
2022年4月 ドル円131円突破!
損切り後も、100ロット超えのポジションをもったまま、ドル円は再上昇。両建てで買いのエントリーをして、立て直そうとします。
しかし「もう高値だ」という気持ちがあるので、ちょっと下がるとすぐに損切り。
大きなロットでこれを繰り返すと、トレードすればするほど損失は大きくなり、負のスパイラルに陥りました。

結果1,000万円だけ損切したつもりが、トータルでマイナス2,000万円の損切になりました。
ピークで損切りしてしまったことよりも、損切後のトレードによる損失のほうが、やるせなく感じました。
2022年6月 ドル円再上昇?
あとから振り返れば、
「はじめの100ロットが逆行した時点で、損切していれば・・・」
「125円突破後の調整局面で全切りしておけば・・・」
もっといえば、
「年末に全切りして含み損をなくしておけば・・・」
と冷静に考えることはできますが、その時々にはまったくその判断ができませんでした。
無限に保証金を入れることができて、いつまでも待つことができるのであれば、おそらく損切しなくてもイーブンにはできます。
でも、実際には相場に入れることができる金額に限度があり、相場環境は予測不能です。
FXデビューした頃の私にはドル円が1年で20円上昇するとは、まったく考えられなかったことです。
調整せず一方向にトレンドが行き過ぎる最近の傾向を考えると、慎重なトレードで自分を守るしかないと思います。
<追記>2022年6月7日、すべての建玉を決済
残したポジションはプラスへ転じるまで、時間をかけて相殺していくつもりでいたのですが、6月にふたたび135円をめざす暴騰。
132円代ですべて損切する決断をしました。FXで3,800万円を溶かしたことになります。
5月の調整局面で、チャンスを見極められないでいるうちに再上昇。3週間強で9円を超える暴騰劇となりました。
その後、131円代の調整局面もありましたが、損切していなければ、ロスカットにあっていたと思いますので、損切できた最期のチャンスだったと思います。
証券口座の保証金も、今後のトレードに使う分を残し、損失額に比べれば少ない金額ですが、出金することもできました。
このブログは5月に投稿する予定だったため、2,000万円の損切記事として書いていましたが、急遽リライトしてアップしています。
何が悪かったのか
反省すべきポイントを5つにまとめました。
①リベンジトレード
リベンジ・復讐は相場においてもよくないですね。冷静な判断ができなくなります。
私の場合だと早くリベンジしたいがために、ロットが一気に大きくなり
そのことが、損失を増やすことにつながりました。
また、リベンジできるまでは“特別な時期”と、
普段ならやらないようなトレードをしてしまいがちです。
更に救いがたかったのは、ナンピンしてロットが増えることは一気に取り戻せるチャンス
とさえ思っていたことです。
②“もう”は“まだ”
相場格言に「もうはまだなり まだはもうなり」という言葉があるそうです。
私はドル円について、110円より上は高いと思っていたので「もう割高・反転下落する」と思い続けていました。頭の中は「もう」でいっぱいで値動きに対して、柔軟に軌道修正ができませんでした。
私が考えうる値動きには”十二分に耐えられる大きな金額”の保証金を証券口座に入れていたので、その許容範囲を超える相場になるとは、まさに想定外。
更には「ありえないほどのこの高値はチャンス!」だと思ってしまい、もっていたFX口座3つで取引を始め、結果傷口を広げてしまいました。
③ポジポジ病
「1日の相場全てがエントリーポイントにみえる」病。”ポジポジ病”にかかっていました。
「休むも相場」という言葉があるとおり、相場は、「売る」「買う」だけでなく「休む」の3つで成り立っているということに思い至りませんでした。
ポジポジ病患者は
・エントリーしないのは”損”だと思います。
・エントリーする時に、”損をする可能性”を考えられない。
・座学や、検証の時間をとるくらいなら、トレードをします。
心当たりがあれば、あなたも立派な「ポジポジ病」です。
ポジポジ病になってしまうと、本人の思惑とは逆に負けが増え多くの場合、資金を減らします。
損切りをしないまでも、更にナンピンをしない(ロットを増やさない)という選択をし、
損失を増やさない選択肢もあることが、まったくみえなくなっていました。
④曲芸トレード
両建てのトレードのことです。大きなロットのポジションが逆行した時に、余力が少ないこともあって両建を取り入れていました。
後からエントリーした逆ポジの利益分で、元のロットを減らし、その後ナンピンして手じまっていくというものです。
私はこの手のことは得意でなまじっか器用に立ち回れたので、ゲーム感覚で楽しんでしまいました。神経を使うポジション操作なので、トレードを続けているとどこかで必ずミスが発生します。
相場環境によってはどちらかに大きく振れて、こつこつドカン。頑張ったわりに1日の最後にはトータルでマイナスということも多かったトレードです。
相場格言にも「両建て両損」という言葉があります。それだけ、誰もがやってしまいがちな罠ということなんだと思います。
余力がない中で、ほかに選択肢がなく取り入れてしまうこともあるやり方だとは思いますが、やめておいたほうが無難です。
⑤浮気はよくありません
浮気とは最初に取引していたドル円以外の通貨ペアを取引したことです。取引の種類を増やしても、リスク分散にはなりません。選択する通貨ペアや、売り/買いの選択によっては、ヘッジになるケースもあるかもしれませんが
今回の私は
・クロス円通貨
・売りのみ
なので、どこをどう押してもヘッジやリスク分散にはなりません。
3月からの円安は、クロス円通貨がすべてそっくりな値動きをしていたので、同じ通貨ペアのロットを増やすのとかわらなかったわけです。
さらにいえば、ひとりの人間が1度に操作できるのは1つの通貨ペアだけなので、
複数の通貨ペアを扱うことは数秒の差で、不利なエントリーや利確になるデメリットがあります。
この時私はどの通貨ペアも、「もう天井」だと思っていたので、損をする可能性を考えず、欲張ったというだけです。
結局、ドル円以外で利益がでる前に、ドル円のポジションに対する資金が足りなくなり
他通貨ペアのよいポジションもやむなく損切り、資金を減らしました。
値動きの監視・操作面だけでなく、資金面でもドル円だけに集中していたほうがよかったなと思います。
単純に取引する通貨ペアを間違って発注するリスクも増えます。
大損しないための「トレード方針」
次の4つを守ることができれば損をすることはあっても致命的な”大損”にはならないと思います。
①その場の感覚でエントリーしない
トレードシナリオを準備して、シナリオに沿った取引をしましょう。
②よくわからない場面では、トレードしない
休むも相場です。ノー・エントリーは、損ではありません。
③マルチタスクはしない
一度に入る通貨ペアは1つだけ。マルチタスクで勝ち続けられるほど、相場は甘くありません。
④ロットは小さく固定する
ロットを大きくすれば、損失額も大きくなります。トレードに100%勝つことは不可能。負ける可能性も考えて、取引ロット数をきめましょう。
さいごに
最期まで読んでいただき、ありがとうございます。
その時々の感情に振り回された行き当たりばったりのトレードをすれば
・どんなに資金があっても
・どんなに普段慎重な人であっても
「なぜこんなことをしてしまったのか」ということをしてしまう場合があります。他人の失敗談聞いたとき「私は大丈夫」と思っていました。
100%必ず勝つことはできないのがトレード。その負けで取り返しがつかないことにならないよう、反面教師にしていただければ幸いです。